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マーケティングとセールスの違いは?BTOB向けに解説

shinotsuka

今回の記事は「BTOBビジネスでのマーケティングとセールスの違い」について解説していく記事です

 

マーケティングとセールスの違いを意識したことはありますか?

どちらも非常に広い意味で使われる上に、具体的なイメージの湧かない抽象的な説明がされていることが多い言葉です

 

そこで今回の記事ではFA(ファクトリーオートメーション)機器業界を引き合いにBTOBに絞った内容で「マーケティングとセールスの違い」を解説していきます

 

それぞれの役割分担と連携の仕方についても説明していきますので、是非 参考にしてください

マーケティングとセールスの役割

まず大前提の話として、マーケティングもセールスも実現したい目標は同じです

どちらも「会社の売上と利益を最大化する」ために存在します

しかし、マーケティングとセールスではやっていることと、仕事の相手が異なります

大雑把にはこのようなイメージです

【マーケティング】
個別の顧客ではなく、市場の顧客全体を相手に仕事をする

■やること

  • 売れる製品を企画する
  • 売れる仕組みを作り込む

【セールス】
目の前の個別の顧客に相手に仕事をする

■やること

  • 実際の顧客ひとつひとつに接しながら販売・営業活動を実行する

もう少し具体的に説明していきます

 

マーケティングの役割

噛み砕いて言うとマーケティングの仕事は「売上・利益が上がる状態を考えること」です

 

FA機器業界のようなBTOBを例に挙げると、大きく分けて次の2つの仕事があります

  • 顧客に選ばれて十分な価格と利益で売れる製品を企画する
  • 顧客に選ばれて十分な価格と利益で売れる仕組みを作り出す

会社が売上と利益を伸ばし続けるために必要なことは「十分な価格と利益で売れる製品」を「十分な価格と利益で売れるやり方」で売ることです

 

「売るもの」と「売り方」は車の両輪のような関係です

製品だけが良くてもいけませんし、売り方だけが良くてもいけません

 

自社にとって実現が出来る内容で、自社の顧客全体を相手にして「売れる製品」と「売れるやり方」を考えることがBTOBでのマーケティングの仕事です

 

ポイントは自社の戦略に対して「十分な価格と利益で売れる製品」や「十分な価格と利益で売れるやり方」を構築していくことです

 

同じ市場でも顧客層はいくついも分かれますので、必ずしも「高価で高付加価値な製品を作るべき」というわけでもありません

 

自社の置かれたビジネス環境で「その製品がどれだけの価格と利益で売れれば良いのか?」という設定をすることも含めて「自社が狙うターゲットに対して十分な価格と利益で製品が売れる状況を作ること」がBTOBマーケティングの仕事と言えます

 

セールスの役割

噛み砕いて言うとセールスの役割は「個別の顧客に対して実際の販売・営業活動を行うこと」です

 

マーケティングが「売れる製品」と「売れるやり方」を作ったところで実行されなければ何の意味もない絵に描いた餅です

 

セールスが現実の顧客一社一社、担当者の一人一人に対して販売・営業活動を実行してこそ成果につながります

また、マーケティングが作った想定の実証をしてマーケティングを正しい方向に導くこともセールスの仕事です

 

現実の企業を見るとマーケティングは顧客との距離が離れがちで、つい社内寄りの考えで企画をしてしまう傾向があります

 

しかし、実際に製品を値踏みして価値を見出すのは製品を使う顧客です

マーケティングの想定と現実の顧客の感覚のズレを修正出来るのは、顧客と1番近く、1番多く接するセールスです

 

このようにセールスは

  • マーケティングが企画した「売れる製品」を
  • マーケティングが作った「売れるやり方」をベースにして
  • 実際の顧客に製品の価値を届けることで
  • 売上と利益を最大化する

というマーケティングの実行部隊としての役割を持っています

 

そして、実行した結果からマーケティングの方向を修正していく実証部隊の役割も併せ持っている、仕事だと言えます

 

BTOBでのセールスとマーケティングの関係

BTOBビジネスでのセールスとマーケティングの関係は両輪の関係です

マーケティングが「売れる製品」と「売れる売り方を企画」する

セールスが実際の顧客に売りに行く

売りに行った結果をマーケティングにフィードバックする

マーケティングは更に踏み込んで売れる製品と売れる売り方を企画する

セールスが実際の顧客に売りに行く

このようにマーケティングとセールスが連携して仕事を回すことで売上と利益を最大化していくのが理想形です

 

マーケティングもセールスも存在理由は同じです

「会社の売上と利益を最大化する」ために存在していて、役割を分担しているに過ぎません

 

役割をPDCAで分けてみるとこのようになります

P(計画):マーケティング

D(実行):セールス

C(測定・評価):セールス・マーケティング

A(対策・改善):マーケティング・セールス

 

計画だけで実行しない人は成果を出せません

計画なしに行き当たりばったりに実行だけする人は着実に成果に近づくことが出来ません

やったことを検証せずに突っ走る人は方向性を間違えるリスクがあります

やりっぱなしで改善も対策もしない人は今よりも高い成果を上げられるようにはなりません

 

そして、これは組織も同じことです

 

マーケティングとセールスが連携してサイクルを回せなければ「会社の売上と利益を最大化する」という目的は達成出来ないのです

ポイント:顧客目線で突き詰める

マーケティングとセールスが「会社の売上と利益を最大化する」ためにサイクルを回す時に重要なポイントがあります

 

それが「顧客目線」で突き詰めていくことです

 

「会社の売上と利益を最大化する」ためには製品の原価に対して上乗せされる利益が最大になるような価格で売らなければなりません

 

単純に減価率を下げるだけでも、販売価格を上げるだけでも、顧客からは買ってもらえません

 

その製品の原価で実現出来る最大の販売価格でも、顧客にとっては「購入する利益がある」と思わせるような製品と売り方を作らなければ、顧客には買ってもらえないからです

 

製品に価値を見出して購入するのは顧客です

 

だからこそ、マーケティングもセールスも顧客目線で製品の価値が最大化するように、自分たちの仕事を連携しながら遂行していく必要があります

 

どちらかだけが頑張っても「会社の売上と利益を最大化する」は実現できません

 

特に購入した製品を自分たちのビジネスに使うBTOBの顧客にとっては「その製品から自分が得られる利益」が全てです

 

原価の高い安い・人手の余裕の有無など 売り手側の事情を価格に転嫁しようとしても顧客からは受け入れてもらえません

 

自社の都合を優先すると「会社の売上と利益を最大化する」ことが難しくなることは意識しておきましょう

BTOBにセールスは必要か?

マネジメントで有名なドラッガーは「マーケティングの理想は、製品とサービスがおのずから売れてセールスを不要にすること」と遺しています

 

実際にマーケティングや販売手法の進化と多様化で「営業は不要」という営業不要論なんてものも出てきています

 

ただ、BTOBビジネスの業界ではまだまだセールスは必要です

 

少なくともFA機器業界に限って言えば、確実にセールスは必要でしょう

 

BTOBのビジネス領域は、セールスを不要にするには障害が多すぎる領域です

 

次のような理由で顧客が自力で最適解に辿り着くことが難しく、売り手のサポートを求めているからです

  • 顧客の仕事ごとに必要なものが違っている
  • 専門性が高く、顧客だけでは選べない
  • 選択肢が多く、どこに声をかけたらいいのかわからない
  • 知名度が低いメーカーも多く、顧客が適切な選択肢を把握できない
  • 同じ製品でも用途によって使い方が無数にある
  • 顧客だけでは製品の扱い方がわかりづらい

BTOBの商材は、量販店で売っている日常雑貨とは違って顧客が「自分たちの利益を生み出すため」に購入する製品です

 

顧客自身が「自分たちに利益をもたらすような提案とサポート」を求めているといっても良いでしょう

 

今のところはFA機器業界のようなBTOBビジネスだと、セールスにマーケティングの実行・検証部隊の役割を任せる体制が最適解だと言えるのかもしれません

 

一方で同じ目的に向けて連携して動かなければならないセールスとマーケティング、更には製造部門や生産管理が内輪揉めで機能不全になっているような会社も多く見かけます

 

車で例えると左右のタイヤと車軸とエンジンがケンカしているようなものです

 

強い会社を作りたければ各部門で連携して売上と利益を最大化していかなければなりません

 

その第一歩がセールスもマーケティング「会社の売上と利益を最大化する」のために存在していることを理解した上で、互いの役割を意識して連携を高めることではないでしょうか

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